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新年

あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
お正月にまつわるエピソードをひとつ。

ラジオから除夜の鐘が鳴っていた。
薄暗い部屋で、
ぼくは一人机に向かっていた。
十三歳だった。
はたから見れば
ぼくの後姿は
勉学にいそしむ感心な中学生に映るだろう。
デスクライトの明かりの中で、
かりかりと書き込む音だけが響いていた。
もしそのとき背後から誰かに覗き込まれたら
その後のぼくの人生はいまとは随分違っているはずだ。
ドアノブに改造を加え、
絶対外からは開けられないようにしていたが、
それにはそれだけの理由と必然がある。
ぼくはモンキーパンチ作「ルパン三世」のコミックスの五巻を机の上に広げて、
ピンクの蛍光ペンを使って、
登場人物である「峰不二子」の乳首の先に、
着色していたのである。
ぼくの目は血走り、
呼吸は乱れ、
額には汗が浮かんでいた。
罪悪感と突破感と開放感と征服感と幸福感が混在し、
頭の中は、ぼーっとしていた。
ペンを握る手だけが意思をもったように仕事を片付けていく。
マークシートをチェックするように、
乳首を見つけ次第、
きっちりとピンクに塗り上げていく。

一冊分の乳首をすべてピンクに塗り終えると、
ぐったりと疲れていた。

完成した作品を手に取り、
ページをめくる瞬間、
いままで味わったことのない新しい興奮を覚えたが、
時間が経つにつれ、
急速に醒めていった。

ぼくは「峰不二子」を陵辱した罪悪感に襲われた。
沈んだ目でコミックスを眺めた。
捨ててしまいたい気持ちと、
もったいない気持ちが沸き起こり、
せめぎあっていた。
ぼくは立ち上がるとカーテンを開けて、
窓の外を眺めた。

新しい年は犯罪者の顔つきと共に幕を開けた。



日吉





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No title

今年も楽しい作品を期待しています。

僕の記憶に残るお正月は東京で一人暮らしていた頃です。
誰もいないコインランドリーで洗濯していました。
乾燥機をかけながらタバコをすっていると、除夜の鐘が遠くから聞こえて来ました。ほんの少し故郷に帰りたくなっものです。
今は、もっぱらK-1ですけど。

No title

ありがとうございます。
どうぞよろしくお願いします。

ぼくも東京で一人暮らししていたときは
コインランドリーを使っていました。

店主に叱られたことがあります。
おもちゃのピストルで遊んでいたら、
二階からパンチパーマのいかつい男性が駆け下りてきて、
「なんやおまえ、どこのもんやねん」みたいな目つきで睨まれました。
怖くてすぐ謝りました。

以来、コインランドリーの二階にはやくざが住んでいると、
びびりながら生きています。



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