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おみやげ

恵庭のおばあちゃんから、
「おまえにおみやげを買ってきた。
楽しみに待ってなさい」
と電話口で言われたので、
思い込みの激しかったぼくは、
受話器を置くなり、
「やった。
ボルテスファイブの超合金だ。
やった。やった。
どうしておばあちゃん分かったんだろ?
ぼくが欲しがってたの。
やった。とにかくやった。やった。やった」
とその場で舞い上がってしまった。
当然のことながら、
恵庭のおばあちゃんは、
会話中、
ボルテスファィブの「ボ」の字も口にしなかった。
「おみやげ」と言っただけである。
0を100にした、
ぼくの、
完全なる思い込みである。

翌日、
急いで学校から戻ると、
恵庭のおばあちゃんが茶の間にいて、
「おお、
元気そうだ。
はい、
おみやげ」
と渡してくれたのは、
こけしだった。

登別のこけし、
である。

勝手に超合金だと思い込み、
気が狂わんばかりに、
「ボルテスファィブ、
ボルテスファィブ、
ボルテスファィブ、
ボルテスファィブ」
と絶賛ボルテスファィブ中だったぼくは、
ショックのあまり、
おいおいと声をあげて、
泣き出してしまった。

突然の出来事に、
戸惑う家族の横で、
普段のぼくのことを何も知らない、
恵庭のおばあちゃんが、
もらい泣きを始めた。
「そんなに喜んでもらえるなら、
もっと大きいのを買ってきてあげたのに」
おばあちゃんも、
完全に思い込んでいるのだが、
目の前で孫が泣いているので、
可能性は0ではない。
50はある。

こけしを手にして泣いているぼくの思い込みは、
0だ。
おばあちゃんはボルテスファィブのことなんて、
何にも知らないからだ。
もしも、
仮に知ってたとしても、
温泉の土産屋にボルテスファィブが売っているわけがない。

そのためか、
トラウマなのか、
以来、
こけしに対する興味が0である。



ひよし

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